物理検層パイプリカバリー作業
(抑留対策)

PIPE RECOVERYパイプリカバリー作業(抑留対策)

物理検層

掘削作業中に抑留されたドリルストリングやケーシング、チュービングを回収するサービスです。予期しない抑留事故は工期の遅れや掘削コストの増大を招くため、早期の解決が求められます。当社は、抑留深度を確認するためのフリーポイント・インジケーター、火薬の衝撃によって抑留深度より上のパイプジョイント部のねじを戻すバックオフ、抑留部を切断または破壊するためのジェットカッターやセバリングツールなどを駆使し、抑留されたパイプの迅速な回収をサポートします。

主な種目

フリーポイント・インジケーター(フリーポイント検層)

ドリルパイプ等の掘削編成が抑留された場合、抑留深度を把握する必要があります。ドリルパイプ等に地上から引っ張りまたは回転トルクを加えた時の管体の伸びや歪をフリーポイント・インジケーターを用いて計測することにより、抑留深度が確認できます。
従来型フリーポイント・インジケーターツールは、測定深度に停止させたツールを管体にアンカリングさせ、管体の伸びや歪変化を定点計測します。
最新のHFPTフリーポイントツールは、通常の検層と同じ様に管内を上げ下げし、磁歪現象による管体の残留歪を深度に対して連続計測します。管体にアンカリングする必要が無く、連続測定が可能であると同時に構造が単純で従来ツールよりも小型なため、迅速かつ確実に抑留深度を把握することが可能です。

ケーシング・カラー・ロケーター

坑井内に挿入された鉄管(ケーシングパイプ)のつなぎ目部分(ケーシングカラー)を検知する機器です。ケーシング・カラー・ロケーターは、一対の永久磁石とコイルで構成されています。このツールを坑井内に降下させると、鉄管の肉厚が均質な場合は磁場が均等に保たれるため、コイルに誘導電流は発生しません。しかし、ケーシングカップ等の鉄管の肉厚が変化する部分では、磁石が作る磁場が変化しコイルに電流が発生します。この電流の変化量を地上で記録し、ケーシングパイプのつなぎ目として記録します。
ケーシング・カラー・ロケーターは、パーフォレーション作業やドリルパイプの抑留位置探知作業などの正確な深度チェックが求められる場合に利用され、セメントボンド検層、フリーポイント・インジケーター(フリーポイント検層)、バックオフツール、ブリッジプラグ・セッティングツール、ジェットパーフォレーターなどと組み合わせて使われます。

バックオフ

バックオフとは、坑井内で抑留された掘管(鉄管)の抑留深度より上のフリーな部分を回収するために、抑留されていない鉄管のネジ部(鉄管のつなぎ目)に導爆線の発破による衝撃を与え、ネジを戻してジョイント部を外す作業です。バックオフツールは数条に束ねた導爆線を固定した支持金属棒、その上端の電気雷管、そして鉄管のつなぎ目を検知するケーシング・カラー・ロケーター(CCL)によって構成されます。あらかじめ鉄管に左トルクを掛けておき、目的深度までバックオフツールを降下させます。目的深度に達したら導爆線を起爆させネジに衝撃をあたえます。この衝撃により左トルクが掛けられていた鉄管は発破個所の近くのネジ部が戻され、切り離されます。バックオフでネジ部が戻らない場合は、ジェットカッターやセバリングツールなどを使って鉄管を切断あるいは破壊する手法がとられることになります。

その他のパイプリカバリー(ドリルストリングス・ケーシング・チュービング等の切断破壊)

掘削作業中の予期せぬドリルストリング、ケーシング、チュービング等の抑留事故は状況に応じた対策と早急な対応が求められます。強引・突下げやオイルスポット等によっても抑留状態が解消できない場合は、火薬類を用いた管体のネジ戻し(バックオフ)や切断・破壊(ジェットカッター・セバリング)、化学反応を用いて管体を膨らみなく溶断(RCT:ラジアルカッティングトーチ)するなどの作業を実施した後に、抑留深度以浅の管体を可能な限り回収し、必要に応じて埋め戻してサイドトラックすることになります(※バックオフで呼継を行い、ジャーリングなどで全て回収できればサイドトラックは不要です)。

パイプリカバリー作業の許認可

火薬類を用いたパイプリカバリー作業を実施するためには、火薬類取締法第17条および第25条の規定により、火薬作業を管轄する都道府県知事(またはその出先機関)から火薬類譲受・消費許可を受ける必要があります。申請後許可されるまで2週間以上要する場合がありますので、掘削作業が始まる前にこれらの許可申請手続きを実施するようにお勧めしています。当社は、坑井内における火薬作業を安全・確実に実施します。