スリックラインその他の坑内サービス

OTHER SERVICESその他の坑内サービス

スリックライン

当社はその他にも、生産井における作業として、チュービングパイプを補修するパックオフツール、坑内のゲージ通しのためのスウェジングツール、坑内のパラフィンなどを除去するスクレーパーなど多様な種目のサービスを提供しています。また坑内に遺留された機器のフィッシング作業にも対応します。スリックラインはアーマードケーブルに比べて伸びが小さく、上下方向の強大な衝撃にも耐えるため、強固な抑留が発生した時の対応において強みを発揮します。
安全で確実な坑内サービスによって、坑井の能力維持・向上をサポートします。

主な種目

パックオフツール

腐食やその他の原因でチュービングパイプの一部分に割れ目や穴ができてしまうと、生産に支障をきたします。そこを塞ぎたい時に、パックオフツールで不良部分の上下にパッキンを効かせて中間をチュービングよりも少し細いパイプで塞ぐことができます。

スウェジングツール

何らかの原因によるチュービングパイプの変形、あるいは腐蝕やスケールの付着などにより機器が管内を通過できないことがあります。そのような時、わずかな変形であればスウェジングツールを変形部に叩き込んで通過させることにより、チュービングの内径を復元することができます。

パラフィンスクレーパー(パラフィンとハイドレート除去作業)

生産流体の特性や生産のさせ方によっては、チュービングパイプ内にパラフィンやハイドレートが付着して、ついにはパイプを塞いでしまうことがあります。このような時にはスリックラインでパラフィンスクレーパーを降下させ、パラフィンやハイドレートを削り取ることができます。また、坑口から、あるいはベーラーを用いて溶剤を滴下して、パラフィンやハイドレートを溶かす方法もあります。閉塞部が導通して坑口に圧力がかかっても、リューブリケータ等の地上設備が圧力を保持するので安全に作業ができます。

サンプラー

貯留層の状態を知るには、産出流体の性質を調べる必要があります。しかし、地下の高い圧力下で採取した試料を地上の低い大気圧下で回収すると、試料の状態が変わってしまうこともあります。それを避けるためには、試料を採取した時の地下の圧力を維持したまま地上に回収できるサンプラーを使い、試料が入っているサンプラーをそのまま分析場所まで運搬します。

チュービングパンチャー

チュービングパイプの内外を導通させたい時には、チュービングパンチャーを使って管壁に直径10mm程度の穿孔を実施します。パンチャーには穿孔用のパンチとそれを押し出すための傾斜路があり、チュービングパイプ内の穿孔場所に本体をセットし(図)、ジャーアップして本体と傾斜路を固定しているシャーピンを切ってパンチを始め、傾斜路の最大部で穿孔を完成させます。さらにジャーアップしてパンチを本体内に収納し、本体をチュービングパイプからリリースして回収します。
チュービングパンチは、ガスリフトによる生産の促進、抑圧流体の循環、チュービングパイプやアニュラス流体の入れ換えなどのために行われます。

フィッシング

スリックライン作業ではチュービングパイプ内に機器等を落とさないよう慎重に作業にあたりますが、想定外に砂やパラフィン等が詰まった状況に遭遇すると機器抑留のリスクが高まります。機器が抑留した場合には、無理に強引せずにピアノ線だけを回収して、遺留してきたものを採揚するのに適した機器編成を降下します。スリックラインで使用する機器にはフィッシングネックと呼ばれる「採揚機器が掴む部分」があるので、このように意図的に置いてくる選択が可能です。ピアノ線を回収するには、ゴーデビルやラインカッターを落として、機器頭部でピアノ線を切断しますが、ピアノ線の途中で切断するサイドカッターもあります。遺留機器等の位置(深度)や、頭部の形・状態を確認する必要がある場合には鉛の成形物を降下して、変形した跡から状況を判断します。
砂等が遺留物の頭部に堆積している場合にはベーラーで除去してから採揚作業に入ります。

高傾斜井サービス

通常のスリックライン作業では、錘の自重で機器を坑内に降下させますが坑井の傾斜に影響され限界があります。しかし、高傾斜井専用の降下編成を用いることにより、高傾斜の坑井であってもターゲットまで機器を降下させることができ、精度の高い測定が可能になります。通常の機器編成で降下できるのは傾斜が60度程度までですが、高傾斜専用アクセサリー(ローラーバギー)を装着することで傾斜が約80度のところまで降下させることに成功した実績があります。